
かつて私は、身の回りのものをどんどん手放してきた。
服、食器、ノート、装飾品…。
物理的なモノは最小限に。
そのおかげで、部屋も心も随分と軽くなった。
1. 放置されていた「1万八千枚の写真」
先日ふとMacBookの写真アプリを開いたときのこと。
そこには18,028枚の写真と417本の動画が並んでいた。
何年も前に撮った、もう見返すこともないような写真たち。
容量にしてわずか90ギガバイト…しかし、非常に大きな心の重さを感じた。
2. デジタルな思い出は、未練の気持ちの記録
すでに物理的なものを手放したとしても、クラウド上にある写真や動画は手つかずのまま残っていた。
「写真って本当に必要?」
「そんなに撮っておいて、見返すことある?」
ミニマリストとして自分に常に問い続けてきたことだった。
3. 前向きな選択。「今の自分」に最も自信がある
写真を見返すと、確かに過去の思い出や変化を忘れずに思い起こせる。
だけど私は「あの頃が一番光っていた」とは思わなかった。
今が一番キラキラしている。
今の私が、一番魅力的だ(多分)。
魅力的かどうかは置いておいても、今だけにフォーカスして生きることはミニマリズムだと思う。
そんな考えもある。
4. 「別れを記録する」手順
写真の大量削除は、思いのほか、手間もすごくかかる。
今回私が行った手順を記録しておく。
ステップ 1:「残す写真」を選び、フォルダ分け
- MacBook上で写真アプリを開く
- 「これだけは手放せない」写真を選択
- iCloud Drive上の自作フォルダに移動(例:「愛すべき記録」「子ども成長記録」など)
ステップ 2:写真アプリから削除
- Mac上の写真アプリで、削除する写真を大量選択
- Control+クリック → 「削除」
ステップ 3:「最近削除した項目」を空に
- 写真アプリのサイドバー「アルバム」内の「最近削除した項目」を開く
- 「すべて選択」→「削除」で、本当の意味で実行
5. 「思い出」より「今」の思いで
残した写真は、ただの記録ではなく「今の私をつなぐ線」として選び抜いた。
- 成長の跡が見える子どもの写真
- 現在の人間関係を映す写真
- 働く自分を奮い立たせるメッセージとしてのビジュアル
必要な記憶だけを連れて生きること。
それこそ、私なりのミニマリズムだと思っている。
6. まとめ:必要な記憶だけを、丁寧に抱えて生きる
クラウドに眠っていた“思い出”たち。
それは、過去に執着しないための「決断の棚卸し」でもあった。
今の自分にとって必要なものだけを選び、あとは潔く手放す。
そんな風に暮らしていけたら、きっと心の風通しもよくなる。
「写真は記録ではなく、私という存在の選択肢」
そう思えたとき、私はようやく、本当に“今を生きる”ことができるような気がした。